ブレア・レント Blair Lent:絵 Margaret Hodges:文 / the Wave

商品詳細

1854年に2回にわたって襲った和歌山県の大地震(安政大地震)で、井戸水の枯れ具合などに気づき、大津波が来ることを予期すると、自分の田圃に積み上げられた稲の束(稲むら)に火をつけて急を知らせ、村人たちの命を救ったとされる幕末の実業家だった濱口梧稜。その後も村の復興のため尽力、防波堤の築造をし、のちの津波による被害を最小限に抑えた。私欲や身の危険を顧みず、村人たちの命を救った行為に感動した明治の文豪、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が短編集「仏の畠の落穂集」に収録された「生ける神(A Living God)」で村民の生命を救った生き神として、その濱口梧陵について紹介している。その後、お話は「稲むらの火」として、昭和12年〜22年まで小学の国語教材となり、高く評価された。

この伝記が海外にも伝わり、アメリカの版画家ブレア・レントが「生ける神」を元に本書「The Wave」を描いた。テキストはアメリカの児童文学作家マーガレット・ホッジスが担当。その後「The Wave」も高い評価を得て、コールデコット賞オナー賞を受賞する。小泉八雲の作中では、梧陵のこと老翁と表現、「The Wave」でもOjiisanと表現されている。津波の悲惨さ、それでも現状を受け入れ、復興に向けてまた生活を続ける日本人の精神力の強さをブレア・レントが躍動感ある木版画で表現した素晴らしい一冊。

1964年第2版。ヴィンテージ絵本。Ex-Library。
【状態】図書館除籍本(Ex-Library)により、図書カードがついた状態ですが、破れや中身の書き込み、目立った経年劣化やダストカバーの傷みもなく非常に良好です。

サイズ: 24cm×24.5cm / 48ページ / ハードカバー / ダストカバー付
<英語表記>

著書紹介: Blair Lent (ブレア・レント)