月が満ちては欠けるを繰り返すように命もまた少しずつ変化し、積み重ね、森羅万象を分かち合いながら命は育まれ繰り返されていく。というテーマで駒形克己氏が表現した新作絵本。街に浮かぶ大きな満月から始まり、切り抜きになったその月が次のページでは豊かに実る果実に変わり、次は砂漠に浮かぶ欠けた月、そして動物たちの命の元となる果実に変わり、また月の場面へ、生命につながる果実と月を繰り返し、宇宙から海へと続く。
ストライプ模様でさまざまな色を繊細に組み合わせ、切り抜きで表現された月の満ち欠け、ページをめくるたびに様々な色彩が登場し、時の流れを感じる美しい絵本。

奥付によると、色覚に問題のある子にとって識別されにくい色を組み合わせているとのこと。その色を見ながら反応を見て、その子自身の個性を見つけて欲しいと願い、およそ10年かけて試行錯誤を繰り返しながら試作に取り組み、2018年に大学のプロジェクトとの出会いがあり完成したとのことで、駒形克己氏の思いが詰まった素晴らしい作品です。

2019年版。新本。

サイズ: 29.8×18.4cm / 32ページ
＜文字なし絵本＞

著者紹介: 駒形克己 (Katsumi Komagata)