ブルーノ・ムナーリの作品

「Acona Biconbi – (アコナ・ビコンビ)」

Acona Biconbi – (アコナ・ビコンビ)

1962年に大衆の美的感性を発展させる活動、啓発運動「プログラム・アート」の展覧会を構成した。この時期に発表したムナーリの代表的な作品として「旅行のための彫刻」とステンレス製の「アコナ・ビコンビ(Acona Biconbi)」がある。「旅行のための彫刻」は、旅先のホテルでも鑑賞できる厚紙製の彫刻で、固定して飾るのが当たり前という彫刻の考え方を覆す携帯用のオブジェ。

誰でも楽しめる造形作品として10枚のディスクで構成。リバーシブルのディスクを折り曲げて止めていくとアコナ・ビコンビが出来上がる。創造力を豊かにする遊び道具として紙製のディスクで再制作された作品。

「つけたり・とったり( PIU E MENO (PLUS AND MINUS)」など

「つけたり・とったり( PIU E MENO (PLUS AND MINUS)」

1970年にダネーゼ社から発表した「つけたり・とったり – 絵作りゲーム」。イラストが描かれたプラスチックカード48枚と切り抜きがされた厚紙など計72枚のカードを重ねて組み合わせることで自分だけの絵が出来上がる玩具。色彩、構成、形や視点の転換などが自然に学べる名作。

また1960年に発表された「ABCで遊ぼう」(ABC CON FANTASIA)では、菱形や半円形のパーツ26個を組み合わせてアルファベットをつくることができる知育玩具。オリジナルはプラスチック製で、現在発売されている復刻版はウレタン製。文字をつくることで言語と視覚(視覚言語)によるコミュニケーションの大切さが感じられる作品。

「小ざるのジジ」

1954年にイタリアのグッドデザイン賞「コンパッソ・ドーロ賞」を受賞した名作玩具「小ざるのジジ」。フォームラバーと銅ワイヤーで作られているため自由に曲げることができる玩具。さまざまなポーズをとるジジが楽しめる。素材を無駄にせず機能美を大切にするというムナーリの考えが垣間見える作品。

また、機能美の大切さという考えから共通してニット素材で制作された照明器具の「フォークランド」も生まれた。