ロシア名作アニメ チェブラーシカとは?

ロシア絵本に登場するチェブラーシカは児童文学作品の出身

ロシア絵本に登場するチェブラーシカは児童文学作品の出身

チェブラーシカは、ロシアの児童文学作家であるエドゥアルド・ウスペンスキーのデビューから翌年の1966年に制作した「ワニのゲーナとおともだち」に登場するキャラクター。

チェブラーシカはなんど起こしてもばったり倒れてしまうことからつけられた呼び名(ロシア語でチェブラーフヌッツァは、ばったり倒れるという意味)。

1969年にアニメ化するまでの童話の中のチェブラーシカは、「熱帯から来た不思議な動物」「ミミズクのような大きな目」「うさぎのような頭」など正体不明の不思議な動物とだけ表現されている。そこから、挿絵画家が個々で解釈して描いていたため、真っ黒のタヌキのようなものだったり、ネズミのような生き物だったりと様々な姿形で表現されていた。 要するに、元々は「ワニのゲーナとおともだち」作品で登場するチェブラーシカは脇役で、ワニのゲーナが主役だった。しかし、しばらくすると可愛らしい姿や仕草から注目を集め主役となったのだ。

また、童話が発表された頃は社会主義国家だったソ連の時代だったため、思想統制により狭義の写実を強いられる状況だった。そんな時代で生まれた物語。正体不明の動物であるチェブラーシカや動物のワニたちと人間が協力して仲良く暮らしていく姿を通して、分け隔てない平等という作家ウスペンスキーの思いが読者に伝わり、ロシアだけでなく、世界の読者にも受け入れられてきた。

人形アニメのチェブラーシカ

人形アニメのチェブラーシカ

1966年にウスペンスキーが発表した「ワニのゲーナとおともだち」、ロシアで子供達が最初に出会う物語と言われるほど人気を博した。その後、その作品が ロシアのパペットアニメーション界の実力派、ロマン・カチャーノフの目に留まり、1969年に人形アニメとして映画化することになる。このアニメ映画化により、現在の茶色のふわふわした毛と大きな耳の可愛らしいチェブラーシカの姿が確立された。

チェブラーシカ人形アニメの第1作目が発表された場所が、社会主義国家のソ連時代、宗教弾圧により閉鎖されたロシアの教会だった。そのころの時代背景をも映し出した作品、今もなお愛され続けている。

チェブラーシカのストーリー

チェブラーシカのストーリー

ある街の果物屋さんに遠い南の国からオレンジの木箱が到着。その木箱のなかには正体不明の不思議な動物が入っていた。茶色のふわふわした毛と大きな耳、起こしても起こしてもばったりと倒れてしまうので、店主が「ばったり倒れ屋さん(チェブラーシカ)」と名付けるところから物語が始まる。

ロシアアニメ界の実力派監督、 ロマン・カチャーノフによってアニメ化されたチェブラーシカは全4話で構成。
第1話は1969年に制作された「ワニのゲーナ」。動物園でワニとして働くゲーナの”お友達募集”の張り紙を見て家を訪ねる。チェブラーシカが初めてお友達になるのがゲーナ。困っている人がいるとほっとけないワニのゲーナはとても心温かい性格。趣味は読書で物知り。寂しがりやのライオン、レフ・チャンドルやチェブラーシカと同じく”お友達募集”の張り紙を見て訪ねてくる女の子、ガーリャなどは、チェブラーシカたちと”友達の家"を建てることになるというほのぼのするお話。

第2話は1971年に制作されたソ連時代のボーイスカウト、ピオネールが登場する「チェブラーシカ」というタイトル。行進ができて、鳥の巣箱を作ることができたりと立派な行いができる良い子だけが入団できるされているピオネール。そのピオネールの少年たちに出会い、チェブラーシカとゲーナが憧れて入隊したいと希望するお話。不器用なチェブラーシカが一生懸命に動く様子が可愛らしい。

第3話は1974年に制作された茶目っ気たっぷりでいたずら好きのおばあさん、シャパクリャクに振り回されるお話「シャパクリャク」。旅の途中にシャパクリャクにいたずらをされるチェブラーシカとゲーナですが、最後は仲良く一緒に歌を歌うところもユニークで憎めない。

第4話は1983年制作の「チェブラーシカ学校へ行く」。心優しいワニのゲーナは、まだ字が読めないチェブラーシカを学校へ連れていくことに。ここでもいたずら好きのシャパクリャクが登場するが、実はチェブラーシカたちを助けることになり大活躍。